67 乳がん ステージ3C 51歳 女性

Q あなたの性別は?

A女性

Q オンコロジーで治療を受けたときの年齢を教えてください。

A51

Q オンコロジーで治療を受けたがんを教えてください。

A乳癌

Q ステージはいくつでしたか?

A おそらくⅢb(?)はっきり言われなかったし、たずねることもしなかった。(注:コメントしましたが正確には3Cです)

Q 転移があった場合、それはどの部位でしたか?

A 右ワキ リンパ2カ所、右内胸リンパ腺1カ所

Q オンコロジー受診以前のがん治療は?

Aなし

Q オンコロジーではどのような治療を受けられましたか?

A薬剤も少し使った

Q オンコロジーでの治療から何年経過されていますか?

A5年あまり

Q オンコロジーで治療中や治療後に困ったことや不安だったことは?

A困ったことは、東京から離れて子どもの世話が出来なかったこと(これは仕方がないことですが、かなりストレスでした。通いで治療出来たら、極楽でした)。副作用や後遺症が不安だった。

Q 経過観察はどのように過ごしてこられましたか?
何かしらの補助療法を行なっていたら教えてください。

A普通に。普段はがんのことは忘れています。
昨年7月よりフェソロデックスを注射していますが、ほぼ同時にK素を飲んでいます。注射とこのK素の相乗効果でがんが消えたと思っています。風邪もインフルエンザもかかりません。免疫力が上がっていると思います。

Q 再発や転移はありましたか?

Aあり。

Q ありの場合、部位はどこで、どのような治療を受けられましたか?

A放射線ホルモン剤(ノルバデックス)放射線ホルモン剤(アリミデックス)骨と肺放射線リンパフェソロデックス

Q それは効きましたか?

A効きました。

Q オンコロジー受診から5年以上経って、現在不安に思っていることや困っていることはありますか?気になることなどございましたらお聞かせください。

A不安に思っていることは特にない。
オンコロジーが東京で、もっと安価な治療として受けられるのであれば、ガンのことなど全く気にせず生きられると思う。(現実問題として無理ですが)

Q オンコロジーで治療を受けて、よかったことがあったらお書きください。

A手術、抗がん剤を使用しなかったこと。痛くなかったこと。

Q がんになる前と現在とで人生観などに変化がありましたか?

A直後は変わったが、だんだん元に戻ってきている。(ライフスタイルが)
根本的には変わったと思う。

Q オンコロジーのスタッフへどうぞひとことお書きください。

Aいつも気持ちよく、患者さんのことを第一に考えて、応対して下さっていると感謝しています。スタッフ皆さんの穏やかで、ゆっくりの口調が患者さんの不安やイライラを和らげていると思います。放射線技師の方々も丁寧で親切です。

<植松医師からのコメント>
このアンケートにご回答頂いた患者様は平成24年9月に当方を初診された右局所進行乳癌の方で当方を初診される前、都内の大学病院で乳癌の診断を受けておられました。この時点でも乳腺内の腫瘍は1ヶ所に留まらず2~3cmのものが少なくとも2ヶ所認められ腋窩リンパ節も多発していました。
当方を受診された時点で全身のPET-CTを行ない、リンパ節は腋窩リンパ節だけでなく内胸リンパ節にも転移している状態であることがわかりました。Stageは3Cということになります。
かなりはっきりした局所進行乳癌ということになりますので薬物療法をしっかり行おうという話しかまず出てこないと思われる状態でしたが、患者さまが薬物療法を基本的に全く望んでおられませんでしたので放射線治療を行ないました。
なお放射線治療中に当方ではごく少量の薬物療法を併用することが時々あるのですが、これは一般的な抗がん剤の治療と比べて投与量が著しく少ないので抗がん剤としての効果を期待しているわけではありません。放射線治療に対する増感効果を期待して行なっているものです。
ですから、放射線治療を終えた後は薬物療法を全く行なわずに初回治療を終えています。
初回治療後、しばらくの間は全く再発転移を認めない良好な状態が続いていたのですが、翌年7月に撮ったPET-CTで、乳腺やリンパ節は全て消えたままでしたが、骨転移が3ヶ所ほど見つかりました。
この部位に対して放射線治療をスタートするとともに、元々ホルモンレセプターが陽性でしたのでホルモン剤のノルバデックスを用いて経過を診ていました。その後2年間ほど順調に経過していたのですが平成27年7月に再び骨転移が出て放射線治療を行ないました。
その後も骨転移が多発する形で広がったためホルモン剤をアリミデックスに変更して様子をみましたが、これはあまり効果がなかったようで、その後も骨転移や肺転移などが出現しました。肺転移に対して放射線治療を行なって様子をみておりましたが、それでも当初とは全く別の縦隔などにリンパ節転移が広がったため、昨年からホルモン剤をフェソロデックスに変更して経過をみております。このフェソロデックスは現在までのところ、かなり効果を上げており現在はフェソロデックスのみ継続して放射線治療は1年半程行なわずに経過をみることができています。
この患者さまのようにホルモンレセプターが陽性の場合、放射線治療後に全身に転移が広がった場合にはホルモン療法を行なうことが多いのですが、いわゆる抗癌剤の治療とは違って、身体に大きなダメージを与えずにそれなりに治療効果があり患者さまの病状改善に効果を上げてくれる場合がしばしばあります。
この患者さまもその一例だと考えております。
原発巣やリンパ節転移、骨転移、肺転移などすべて合わせると20ヶ所近くにこれまで放射線治療を行なっておりますが患者さんはとても元気に過ごしておられます。