陽子線治療の実力にご注意を

平成24年4月に、米国の放射線腫瘍学会の委員会が、過去に報告された臨床成績を集約して、「陽子線治療の実力」を評価した論文を発表しました。
そのサマリーには、インターネットで誰でもアクセス可能です。
 
「An evidence based review of proton beam therapy: the report of ASTRO’s emerging technology committee. 」(URL:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22405807)
 
という論文ですから、興味のある方は読んでみてください。
上記をクリックするだけでサマリーにたどり着けると思いますが、うまくいかなければ
「pubmed」 で検索してホームページに入り、キーワードとして 「proton beam, astro」 を入れると出てきます。
英語が苦手な人のために要約すると、以下のようなレヴューです。
現状は、日本のマスコミなどから流れてくる情報とは随分と違う結果のようです。
<サマリー要約>
陽子線治療は、
大きな眼のメラノーマ(悪性黒色腫)、コルドーマ(脊索腫)で、X線治療に勝る。
陽子線治療は、小児の全脳・全脊髄照射で、X線より副作用が少ない。
陽子線治療は、肝がん、前立腺がんで、X線治療と同等の効果と思われる。
陽子線治療は、肺がん、頭頚部がん、消化器がん、小児腫瘍、などで、X線治療に劣る。