Q あなたの性別は?
A 男性
Q オンコロジーで治療を受けたときの年齢を教えてください。
A 40歳
Q オンコロジーで治療を受けたがんを教えてください。
A 肺がん。
Q ステージはいくつでしたか?
A ステージ4
Q 転移があった場合、それはどの部位でしたか?
A 副腎
Q オンコロジー受診以前のがん治療は?ありの場合は具体的にどんな治療でしたか?
A あり。放射線治療および化学療法。
Q それは効いていましたか?
A 進行を止めることができず、ステージ3Bから4へ。
Q オンコロジーではどのような治療を受けられましたか?
A 放射線治療と薬剤も少し使った。
Q 平成28年現在、オンコロジーでの治療から何年経過されていますか?
A 5年。
Q オンコロジーで治療中や治療後に困ったことや不安だったことは?
A 治療中は先生からの分かりやすい説明があり、不安を覚えることはありませんでした。また、片肺が潰れると云う先生の予測を聞いていたので肺が実際に潰れた時もそれほど慌てませんでした。しかし不安がなかったわけではありません。植松先生の治療を受け、再発することもなく2年、3年と経つうちに「もしかしたらステージ4でも、またこの先何年か生きられるのではないか」と希望がわいてきました。逆説めきますが、こうした希望がわいたとたん、再発がひどく怖くなり、ちょっとした体調不良でもクヨクヨするようになったりしました。
Q 経過観察はどのように過ごしてこられましたか?何かしらの補助療法を行っていたら教えてください。
A 自宅で少しばかり仕事をした他は、療養中心の暮らしを送っておりました。療養といっても漢方医にかかるといった程度ですが。
Q 再発や転移はありましたか?ありの場合、部位はどこでどのような治療を受けられましたか?
A なし。
Q オンコロジー受診から5年以上経って、現在不安に思っていることや困っていることはありますか?気になることなどございましたらお聞かせください。
A 再発の不安がやはりあります。長期計画をたてることが、そのため困難だったりします。
Q オンコロジーで治療を受けて、良かったことがあったらお書きください。
A 今生きていることです。「長くてあと2年」と大学病院で宣告されてから5年経った今、そのことをシミジミ感じています。
Q がんになる前と現在とで人生観などに変化がありましたか?
A 自分ではよく分かりません。
Q オンコロジーのスタッフへ どうぞひとことお書きください。
A 上にも書きましたが、「長くてあと2年」と余命を告げられた私が、こうして5年後にボールペンを動かしているのも、ひとえに植松先生とスタッフの皆様のおかげです。どう言っていいのか分からない程感謝しております。
<植松医師からのコメント>
このアンケートにご回答頂いた肺がんの患者様の治療の相談を受けたのは、今からちょうど5年半ほど前の2011年冬のことでした。患者様のお父様が、私の友人と知り合いであったためご相談を受けたのですが、その時既に東京都内の大学病院で右肺がんステージⅢb(扁平上皮がん)に対して抗がん剤の治療と放射線の治療を受けておられる最中でした。リンパ節転移が鎖骨のところまで来ており手術は適応外でした。治療によって、それなりにご病気が縮小していると伺ったのですが、2011年3月に治療が終わった直後に撮った画像診断で、既にご病気が残存し再発傾向にあることがわかりました。当方を受診されたのは、2011年の4月です。間隔を詰めてPET-CTを撮ったところ、当初は認められていなかった右副腎への転移が確認され、再発後のステージはⅣになりました。PET-CTで認められている全ての病巣に対して放射線治療を行い、経過をみて、今日まで無事5年経過しています。
ただ、同じ部位に2回放射線をかけていることから、右の肺は潰れてしまうだろうという予想が最初からたっていましたので、そのようにお話しをしておりましたが、予想に反することなく、1年後に右の肺は無気肺になり、現在も左の肺だけで生活をしておられる状態です。
当初、認められていなかった副腎への転移が比較的短い期間で出現したこと、また当方での放射線治療後は一切の抗がん剤を行っていないのに、全身への転移が全く認められていないこと、この二つのことから考えると当初の大学病院で行われた、標準的な抗がん剤治療のために患者さまの免疫力が一時的に低下してしまい、そのために副腎への転移が出現したのではないかと考えています。
当方では極少量の抗がん剤を放射線治療の期間中だけ併用し、それ以降は何も積極的な抗がん剤の治療を行っていないのに、新たな転移が出ることなく5年経過しています。ですから、証明することはできませんが抗がん剤の治療を止めたことで身体の力が元に戻り、転移を押さえ込むことに成功しているのではないかと考えています。