19 前立腺がん 男性 64歳

 
Q オンコロジーで治療を受けたときの年齢を教えてください。

  A 64歳 (2012年11月から)
 
Q オンコロジーで治療を受けたがんを教えてください。

  A 前立腺がん
 
Q ステージはいくつでしたか?

  D2(グリソンスコア9、PSA 307)
 
Q 転移があった場合 それはどの部位でしたか?

  A リンパ節(左鎖骨上に2cm大、右鼠径部に5cm大のリンパ節転移、その間に多数のリンパ節腫大あり)
 
Q オンコロジー受診以前のがん治療は?ありの場合は具体的にどんな治療でしたか?

  A あり。・ホルモン療法(2010年10月~2012年3月)
・抗癌剤タキソテール治療(2012年4月~2012年10月)

 
Q それは効いていましたか?

  A 一定の効果はあった。
ホルモン療法でPSAが10まで下がるが、1年半で再燃。
抗癌剤治療でPSAが40から9まで下がるが、副作用あり。
 

 
Q オンコロジーではどのような治療を受けられましたか?

  A 放射線治療のみ。
 
Q オンコロジーでの治療から何年経過しましたか?

  A 5年経過、現在も経過観察中。

Q オンコロジーでの治療中や治療後に困ったことや不安に思ったことはありますか?

  A 特にありません。
 
Q 治療後の経過観察はどのように過ごしてこられましたか? 何かしらの補助療法を行っていたら教えてください。

  A バランスの良い食事をとり、無理をせず普通の生活をしている。
特に足腰が悪いので、転倒しないように心がけている。
地元の病院で、定期的に診察、PSAなどの血液検査、検尿、エコーなどを受けている。

 
Q 何かしらの補助療法を行っていたら教えてください。

  A 特にありません。
 
Q 再発や転移はありましたか? 再発や転移があった場合、どのような治療を受けられましたか?

  A あり。リンパ節転移。
放射線治療 オンコロジーでさらに3回ほど放射線治療を受ける。
ホルモン療法 地元の病院で、放射線治療の合間に必要に応じて受ける。

 
Q それは効きましたか?

  A はい。
ただし、発症時から多発性リンパ節転移があり、治療後もしばらくたつと新たなリンパ節転移が現れる。

 
Q オンコロジー受診から5年以上経って、現在不安に思っていることや困っていることはありますか?気になることなどございましたらお聞かせください。

  A 白血球が下がり、体力も落ち、疲れやすくなったこと。
 
Q オンコロジーで治療を受けて、良かったことがありましたら教えてください。

  A 前立腺がんD2の標準治療は薬物療法のみで、使える薬も限られ、強い副作用もあっていずれ薬が効かなくなり、終末期を早く迎えます。
オンコロジーでの本格的な放射線治療を受けられたことで原発の前立腺のがんが消え、リンパ節転移の治療が主になり、薬も休薬期間も含め、効果的な治療ができるようになりました。
(以前無効になっていた薬が、休薬期間が長かったので耐性がなくなったためか、あるいはがんの遺伝子が変化したのか(植松先生のお話)有効に使えるようになったこともあります。)
当初、オンコロジーでの治療に懐疑的であった地元の病院の主治医が、オンコロジーでの治療を良く理解してくれるようになり、協力して治療にあたってくれるのも嬉しいことです。
完治は出来ませんが、病気をある程度コントロールすることができ、オンコロジーの治療で延命効果が期待できると思っています。


 
Q がんになる前と現在とで人生観などに変化がありましたか?

  A あまり頑張らなくてよい、と思うようになった。
 
Q オンコロジーのスタッフへ どうぞひとことお書きください。

  A 発症時、がんの悪性度が高く、余命3年、4年後は限りなくゼロに近く、5年後あなたは100%この世にいないと(最初に生検を受けた医院で)告知されましたが、発症後8年目を迎えることができたのは、植松院長先生をはじめスタッフの皆さんのおかげだと、家族一同、心から思っています。ありがとうございます。今後もオンコロジーで治療を受けることになると思います。

 
 
<植松医師からのコメント>
このアンケートにご回答頂いている患者さまは、前立腺癌でもともと広範囲にリンパ節などに転移を認めている状態で標準的な治療であるホルモン療法をしばらく続けておられましたが無効になり、その後タキソテールを中心とした抗がん剤の治療も受けられましたが、副作用が強く継続が不可能になったところで平成24年11月に当方を初診されました。
転移のある前立腺癌に対して放射線治療は世の中ではほとんど行われておりませんが、病巣範囲を正確に把握した上で放射線治療を行うことで病状の改善を認めています。
放射線治療を行った部位は概ねコントロールされるのですが、さらに別の部位に転移が広がるため断続的に放射線治療を繰り返しながら薬物療法も行っております。
ホルモン療法は一度無効になるとなかなか効果がでなくなるものなのですが、休薬期間が非常に長かったため、前立腺癌の細胞に変化が起きて再びホルモン療法に反応するようになったことがあります。発症から8年程度、オンコロジーを受診してから5年以上経過していますが長い時間のうちに新たなホルモン剤などが開発され、予後の改善につながればと期待しています。