新型コロナウイルス対策 (十分な栄養と睡眠を!)

中国の武漢で発生した新型コロナウイルスの感染が広がっています。
潜伏期間が1-2週間と比較的長いようですし、困ったことに、まだ発症していない潜伏期間中の感染者からもウイルスがまき散らされて、さらなる感染が広がっているようです。日本中に中国からの旅行者が大勢来ているわけですから、これでは根本的な感染予防の対策などできるはずがありません。ほぼ無力です。
連日テレビなどでも、不要な外出をさけ、うがい手洗いを励行。セキがでる人は、人にうつさない様にマスクを着用するなどの対策が公表されています。これらはもちろんそれなりに効果があると思います。けれども、マスコミであまり強調されていないことですが、私が最も大切だと考えていることは、「栄養」と「睡眠」とです。
新型ウイルスの感染が世界中に拡大したことは過去に何度もあります。もっとも有名な100年前のスペイン風邪では、世界中で少なくとも5億人が発症して5000万人が死亡したとされています。これに対して、21世紀の初頭のSARSは、世界中を恐怖に陥れましたが、1万人弱が発症して1000人弱が死亡したとされています。
航空交通機関の発達により、世界中を旅行する人の数は比較にならないほど増えていますので、ウイルスの拡散の仕方を考えれば、SARSの方がより広がりやすく、より重大な被害が出そうな気もするのですが、結果はむしろ逆です。どちらも発症者数の一割程度の死亡者が出ていますが、発症者の数がまるで違います。
もちろんウイルス自体が違うので、感染力も違うのでしょう。ですから、直接比較することはできません。しかし、どちらも何の予防法も治療法も確立されていない新型ウイルスであったという点では一致しています。つまり、疾病の予防や治療に医療が関与できる部分はあまりなく、ほぼ無力。医療の進歩が患者数や死亡者数を減らしたとは考えにくいのです。
では、なぜSARSの方が被害が小さくてすんだのか?
私は、一番の要因は、20世紀前半と21世紀初頭での全人類の栄養状態の違いであろうと考えています。
20世紀の後半になって、人類の平均寿命はかなり延びました。ほとんどの先進国で、第二次世界大戦のあと、国民の平均寿命が大幅に延びています。
20世紀の後半に、人類の遺伝子に大きな変化が生じて、より強靭な身体を手に入れたなどということはありえません。日々の暮らしで食べることのできる物が劇的に改善したのです。タンパク質やビタミンを豊富に含んだ食事が可能になったのです。
以前から、健康に暮らすための最大のポイントとして、エンゲル係数の高い暮らし、栄養があって身体に良い食事を心がけることが最重要だと考えてきましたが、未知の感染症に対しての最大の対処法も、やはり「栄養」と「睡眠」。自分の身を守る最善の方法はそこに尽きると思います。
地球上で生きている限り、ウイルスとの接触をゼロにすることなど誰にもできないのですから、ウイルスが身体に入ってしまっても発症しない強い抵抗力を身に着けること。万一発症してしまってもできるだけ軽症で済むような強い免疫力を身に着けること。これに尽きるだろうと思います。
現在のような新型ウイルスによる非常事態は、これからも時々起きると思います。普段は体型を気にしてダイエットに励んでいる人も、こういうときだけは、無理な減量をせずにベストな体重を維持して、睡眠もたっぷり取りましょう。
新型ウイルスで亡くなる方の多くが、栄養失調や糖尿病など免疫系に影響する身体状況であることを考えても、「良い栄養」と「良い睡眠」。これに勝る対処法はありません。